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■ もっともっといばらき リポート357 ミュージアムパーク(24) その12012. 3.19

訪問日;2012.03.18

ミュージアムパーク」では第54回企画展“植物たちのSOS-レッドデータブックからの警告−”が始まった。

茨城県を中心に日本に分布する維管束植物(種子植物とシダ植物)の絶滅危惧植物が取り上げられている。
標本や写真、植物画、レプリカ、そして中には生体も展示されている。数多くの植物が絶滅の危機に瀕している。これでも展示されているのはごく一部。秋の七草のキキョウやフジバカマも絶滅危惧植物。
茨城県版レッドリスト(2012年2月改訂)では、絶滅32種、絶滅危惧TA類81種、絶滅危惧TB類158種、絶滅危惧U類167種、準絶滅危惧140種、合計578種。このほか情報不足で現状不明なものなどもある。

なぜ絶滅に向かうのか。
原因としてさまざまな要因が挙げられている。
圧倒的に多いのは森林伐採や湖沼開発などの開発行為。全体の50%を占めている。それに次いで園芸採取が24%。沖縄で発見されたオリヅルスミレは、新種だと分かった時には自生地はダムの底に沈められてしまっていた。現在はいくつかの植物園などで生きているそうです。
このような人間の活動の増大によるものばかりでなく、逆に人間の活動の後退によっても絶滅の危機を招く。雑木林など人の手が入ることで維持できていた生態系は、人の手が入らなくなることで多様性を失い、そこに生息する植物が絶滅の危機に瀕している。また、狩猟の機会が減ったことで鹿が増加し、シカの食害も著しくなっている。
外来生物の進入や地球温暖化も、植物に与える影響が懸念されている。

茨城県内で行われた絶滅危惧植物の調査によると、小貝川で32種、菅生沼で23種もの絶滅危惧植物が生息していることがわかっている。この地域はヨシ原や河畔林(かはんりん)で絶滅が心配されている多くの植物が生育しており、全国的にも注目されているそうです。
筑波山では1981年当時に確認されていた絶滅危惧植物34種のうち、1995年以降の調査で確認できたのはわずか9種。しかも確認できた9種はすべて森林に生息する種で、草原に生育する10種、湿地に生息する9種はいずれも全滅し、ラン科植物は14種から3種へと激減している。草原の植物は人の手が入らなくなったことで絶滅を招き、逆に園芸対象としての乱獲でサギソウなどのラン科植物は激減しているのだそうです。
久慈山地での2003年から2005年の調査では、絶滅危惧植物24種が生息し、フクロダガヤやミヤマスカシユリなどの岸壁に生育する植物や、ミズオオバコなどの湿生植物も確認されている。
国営ひたち海浜公園」でもオオウメガサソウなどの絶滅危惧植物が数多く確認されていて、多様な自然が残されている。
今手を打てば、なんとか生き延びられるかもしれない。これらの絶滅危惧植物の保全が急がれている。


つづく >>