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■ もっともっといばらき リポート354 茨城県立歴史館(11)2012. 2.28

訪問日;2012.02.25

映画“桜田門外ノ変”のオープンロケセットを後にし、午後からは「茨城県立歴史館」で特別展U“肖像画の魅力−歴史(とき)を見つめた眼差し−”を見たよ!

第1章 肖像画とは何か。

肖像画は死後に描かれた遺像(いぞう)と生前に描かれた寿像(じゅぞう)・似絵(にせえ)・頂相(ちんぞう)に大きく分けられる。で、遺像が多いらしい。生前に肖像を描かれると良からぬ事が起こるかもしれないって考えられていたからなんだって。

ちなみに






寿像(じゅぞう);生前に描いた肖像画や肖像彫刻
似絵(にせえ);鎌倉時代から南北朝時代に流行した大和絵(日本絵画の様式概念の1つで、中国風の絵画「唐絵(からえ)」に対する呼称であり平安時代の国風文化の時期に発達した日本的な絵画のこと)系の肖像画
頂相(ちんぞう);禅僧の肖像画や肖像彫刻

だそうです。

(1)頂相・僧侶の肖像
禅宗の高僧の肖像画である頂相は、写実的に描かれる。禅僧が師の肖像を印可(いんか・師が弟子の悟りを認めること)状の一つとして頂くものなので、頂相は師そのものであり、等身の現身仏なわけだ。だから師そのまんまに描かれる。

雪村(せっそん)の自画像が展示されている。
雪村は室町時代の画僧で、部垂(へたれ・現常陸大宮市)に佐竹氏の一族として生まれた。各地を遍歴しながら多数の作品を描いた。
雪村の肖像画はいわゆる頂相と雰囲気が異なる。月明かりに照らされた雪山を背景に、鹿皮を掛けた籐のイスに座っている。なんともまあ、詩的な肖像画である。
水墨画の世界では雪舟と並び称されるが、知名度は今一つ。先日、NHKの日曜美術館でも雪村が取り上げられていていたが、そんなことを研究家の方がおっしゃっていた。
常陸大宮市の郷土工芸品として“雪村うちわ”があるよね。
この日は前期展示で、自画像は複製だった。後期には本物が見られるようだ。残念!

(2)肖像画アラカルト
いばらき縁の人物たちの肖像画を中心に展示されている。
武田信玄・上杉謙信像と山本勘助像(ともに山梨県立博物館所蔵)は前日の24日までの展示で、25日からは大坂城天守閣所蔵の上杉謙信像になっている。一番見たかったんだけどなあ!山本勘助像が!
で、武田信玄はいばらき縁の人物なのかって?ご先祖様が常陸国吉田郡武田郷(現ひたちなか市)にいたんだよねえ。(参照;もっともっといばらき リポート142

このほか、石田三成の頭蓋骨を撮影した写真から複顔し、それをもとに描いた肖像画や、大塩平八郎の人相書き(藤田東湖自筆本)なんていうのも展示されている。大塩平八郎はよく目にする肖像画も展示され、また、実際に会った人物(谷文二)が描いた肖像画も展示されている。これらを見比べると、かなり異なる印象を受ける。よく知られた大塩平八郎像は、かなり理想化されているらしい。人相書きと谷文二がが描いた肖像画はかなり似通っている。こっちが大塩平八郎の実像に近いんだよなあ!

このように、肖像画は美化、理想化されることが多々あるようで、武将たちの肖像画も凛々しく描かれているんだなあ!
もっとも、常陸の武将たちの肖像画は、これもまた他地域と異なるらしい。通常、武家肖像画は上畳に正装で坐すらしいけど、雪村の肖像画同様、叙情的なんだそうだ。背景や像主の小物なんかも描かれている。

(3)徳川家の肖像
将軍様の肖像画は形式が決まっていて、過去の将軍像を先例として踏襲して描くことになっていたらしい。で、奥絵師は型紙を作ってお伺いを立ててから制作に入っていたんだって。
お伺いを立てるってねえ。じゃあ、将軍様が、オレこれ気に入らない。オレ、もっと凛々しいもん。男前だもん。って言ったらそんな風に描くのかなあ。それはないのかなあ?だって、徳川家茂像ってさあ・・・。

第2章 水戸藩の肖像

(1)徳川斉昭の肖像
第9代水戸藩主徳川斉昭の肖像画がたくさん展示されている。若い時からお年を召した時のまで。斉昭の肖像画は西洋画風のものをよく目にするけど、これも列公夫人の感想から、かなり理想化されていることがわかる。

(2)描き描かれた水戸藩士
斉昭の命により、内藤業昌という藩士が水戸藩士の肖像画を描いている。おそらく、写真鏡(カメラ・オブスキュラ)を使って描いたのだろうとのこと。藩士の寿像がまとまって描かれる例は珍しく、当時はたしなみとして絵を描いていたことがわかるそうです。かなり写実的で、シワや疱瘡の痕も描かれている。

ところで、カメラ・オブスキュラって何?
暗い箱に針で穴を空けると明るい外の世界が反転して写る。ピンホールの原理は古くから知られていたけど、これで写る画像は暗い。そこで、西洋では16世紀頃、ピンホールの代わりに光学レンズを装着した。さらに45度の角度で鏡を付けて、箱の外から像を見えるようにした。これがカメラ・オブスキュラ。
明るい画像が得られ、画家たちのスケッチの必需品になった。なんと、あの有名なオランダのフェルメールも、カメラ・オブスキュラを使っていたらしいんだってさ。へええ!

第3章 写実的肖像への道筋

江戸時代後半には肖像画も写実性を帯びるようになり、オランダから伝わったカメラ・オブスキュラを使用したと考えられる作品もある。渡辺崋山の肖像画の作品も多数展示され、西洋画法の印影を付け、立体的に表現している。

カメラ・オブスキュラを体験できるコーナーもある。実際に肖像画をスケッチできるよ。

第4章 慶喜と写真と油絵

徳川慶喜アルバムがおもしろい。没後、故人を偲んで肖像32点を選び、生い立ち順に構成したもので、徳川家ゆかりの各家に配布された。多趣味で、その内の一つが写真。そのためか、様々なポーズで写真を撮っており、写す方と写される方の両方の研究をしたと思われている。そういえば、曾孫の方はカメラマンでしたよね。

時代と共に、肖像画を描く目的、技法などが変わってきて、その変遷を一堂に見ることができるので、とてもおもしろい。
子どもには難しいんじゃあんめか?見せる意味あっぺか?
まあ、肖像画からにじみ出る人物像を探ってみるのもおもしろいかもしれません。このおじちゃん、どんな人だったんだろう?ってね。それから、どうして女の人の肖像画は少ないのかな?なんていうのも話あってみるといいかもね。カメラ・オブスキュラを復元してみる、なんていうのにチャレンジしてみてもおもしろいかもしれない。

そうそう、特別展開催中は“パネルを見てクイズに答えよう!”もやっているから、先に旧水海道小学校に寄ってクイズを解こうね。景品交換所は本館だよ。
梅はまだ全然咲いていないよ〜〜〜。今年はホント、遅いなあ!