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■ ちょっぴり県外98 国立科学博物館(10)(東京都台東区上野公園) その22013. 3.31

訪問日;2013.03.30


>> つづき



3つ目の地域は極北の地。マイナス40℃が続くアラスカやシベリアでは、どうやって動物と向き合ってきたのか。

セイウチを獲って解体し、保存食を作る。トナカイを仕留め、皮をはぎ、肉をとる。その様子が映像で紹介される。
先住民の狩りは残酷か?
彼らは肉はもちろん、骨髄も食べ、血もスープにする。毛皮は防寒着や靴などに利用される。一つも無駄にしない。
私たちも、生きるために肉を食べる。動物の命を頂いている。目の前で殺していないだけ。屠殺場で殺されてくる命を頂いているんだよね。見えないところでなら動物が殺されても残酷ではないのですかね。野菜だけ食べる???植物も生きている!
人類は狩りをし、命を後世につないできた。その結果、今の自分が存在すること、そして他の命を頂いて生きていけることに感謝したいものです。
セイウチの肉は家族はもちろん、その親戚、そして年金生活者にも分配されるそうです。また、血や肉などの一部は海に返し、海の精霊に感謝する。信じられないくらいの残飯を出している私たちに、この生き方を非難できる?

ここでもまた、気候変動や野生動物の減少(恐らくは私たちの経済活動によってもたらされる?)が問題となり、先住民の暮らしに深刻な影響を与えているそうです。



最後は乾燥地帯。この地域で特に重要なのは水。そして、ラクダの果たす役割が大きい。

ラクダは運搬用として利用され、時には食肉にもなり、ビタミン豊富な乳も出るし毛皮も利用できる。糞も乾燥させれば燃料になる。

先住民アファールが住むエチオピア北東部のダナキル砂漠は、摂氏60度にもなる世界最悪の猛暑の地。アファールの人々は乾期には塩掘りを行うが、おおむね放牧で生計をたてている。
脱水症を避けるため、彼らはヤギの皮の水筒に飲料水を入れている。これは保水性に優れ、気化熱で水が熱くならない。気化熱云々は知らなくても、経験で、ヤギの皮が一番いいことに気づいているんだよね。

水は時として人々の生活を脅かす。川の氾濫は、周囲の村々の家を押し流していく。だけど、川の氾濫は、同時に肥沃な土を運び、畑に大きな収穫をもたらしてくれる。家は簡単に作りなおせる。スーダン北部やエチオピア南部では、今もなお洪水とともに生きる人々がいる。
1970年、アスワンハイダムが完成した。ナイル川の下流域に位置するエジプトでは洪水がなくなった。これにより、土地はやせ、水で洗い流されなくなった土地は塩害が深刻で、大量の化学肥料が投入されるに至った。皮肉なことだ。



4つの地域の衣食住に加え、目を引くものが2つほど。
10年ぶりに公開された“干し首”。19世紀中ごろには観光客にお土産として売られていたこともあるらしい。それから世界最古のミイラ。エジプトよりも古く、約5000年前だそうです。チリ北部のアタカマ砂漠の住民が作った“チンチョロ”ミイラです。
共に最新の学術的見地からのアプローチが映像で紹介されている。実物は撮影禁止でした!



前述の関野氏は2004年に日本人のルーツをたどる“新グレートジャーニー”にも挑んでいて、東アジアから島伝いに黒潮にのって日本列島に到達した“海上ルート”を、丸木舟の“縄文号”で旅した様子も紹介されている。インドネシアから石垣島まで!
なんと、縄文号を作るための木を切るために、砂鉄を集めて鉄器を作るところから始めている。すごいよ〜〜〜。



私たちの祖先は、何てたくましい!自然と共存し、生きる力に漲っている。そして、その知恵と技術を受け継ぎ、今もなお、その生活をしている人々も、やはりたくましく、生きる力に漲っている。
はてさて、私たちは???
科学技術を発達させてきた。便利な生活に慣れすぎて、これが無くなったら生きていけるのかなあ???


地球上に生まれ、成長し、結婚して子どもをもうけ、その子を育て上げ、自分は年老いていく。今度はあなたの番よ、といって、巣立っていく子どもを見送る。
3Dプロジェクションマッピングシアターの映像が伝えるのは、気の遠くなるような時の流れの中で、私たち人類が繰り返し繰り返し行ってきたこと。祖先からの知恵や技術を受け取り、次の世代に引き継いでいく。
だけど、それを実行しているのは一部の人たちで、多くは文明社会の分業化された中で生活し、恐らくは個々人の“生きる力”は失われつつある。私たちは原始的だ〜、だの、野蛮だ〜、だの、古臭い〜、だの理由をつけて、祖先たちの知恵と技術をないがしろにしてきてしまった。さらに、自然と共存し生きてきた人々の生活に入り込み、奪いつつある。
だからといって、狩猟採集の生活に戻るのは至難の業で、また、そこまでする必要も、ないのでしょう。ただ、文明や科学、経済活動至上主義といった考えを少し改め、持続可能な社会のために、自然と共存する道を模索する必要があるのではないでしょうか。



最後にラエトリ遺跡の足跡を元に復元されたアファール猿人。岡村隆史さんが猿人のモデルになっている。
お父さんが子どもの手を引いて歩く。火山灰の降り積もる中、外敵を気にしながら。その後を、身重のお母さんが歩く。遥か昔の、祖先たちの姿が復元されている。
家族、それが私たちの原点なんですね。




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