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■ もっともっといばらき リポート405 国立公文書館つくば分館(8)2013. 9. 2

訪問日;2013.08.10

国立公文書館つくば分館」の“夏の企画展 旗本御家人の世界”。

旗本って何?御家人って???
江戸時代、将軍直属の家来がいました。このうち、石高が1万石未満で将軍御目見(おめみえ)、すなわち将軍様に謁見できる幕臣が旗本、御目見以下が御家人ということらしいです。御目見できるかできないかがポイントなので、中には旗本でも御家人より石高の低い人もいたらしい。
武家諸法度で統制され、主に若年寄の支配下にあって役職についていたんだけれど、今も昔も同じで、役職の数は限りがあり、当然、役職に就けない人も多かったようです。
江戸での旗本は江戸城の警備や将軍の護衛などを行う武官や町奉行・勘定奉行・大目付・目付などの文官の役職があり、御家人は与力や同心あたりの下級官吏に就いていた。

サツマイモの青木昆陽、正徳の治と呼ばれる政治改革を行った新井白石、徳川家譜代の家臣大久保彦左衛門、江戸南町奉行大岡忠相、忠臣蔵では敵役として描かれている吉良上野介、『遠山の金さん』のモデルにもなった江戸北町奉行遠山景元(かげもと)、『鬼平犯科帳』火付盗賊改(ひつけとうぞくあらため)の鬼平(おにへい)こと長谷川平蔵、そして江戸城無血開城を成し遂げた勝海舟、このあたりが有名どころかな?
展示では間宮海峡を発見し世界地図に名を残す間宮林蔵も紹介されている。旗本なのか御家人なのか?常陸国筑波郡上平柳村(現在の茨城県つくばみらい市)の農家の出身です。才能を認められて、幕府のお役人さんになったもよう。才能があるとそういう道もあったんだねえ。

じゃあ、旗本や御家人の収入ってどうなっていたんでしょう。気になるところです。いろいろ調べてみました。

俸禄(ほうろく)は、家禄というご先祖様の功績でもらえる部分(いわゆる基本給)と、職禄といって役職に対してもらえる部分とがあるらしい。職禄は職務を果たす上で家禄の不足を補うものなので、いわば職務加算給。職毎に役高があって、もともとはそのまま支給されていたけれど、足高制の導入により、役高に家禄が達しない分だけ支給されることとなった。
無役の場合は家禄のみで当然職禄はもらえない。仕事しなくても家禄もらえるからいいじゃん、って思うけど、世の中そんなにあまくはない。まあ、家禄が多い人ばかりではなく、無役の場合は内職が必要なことも多かったらしい。時代劇でよく見る、傘張のお仕事とか〜〜〜。

で、どんな風に支払われていたかというと、上級の旗本などの場合は知行地といったものが与えられ、その知行地から収納する年貢米が収入となる。これは「知行取り」と呼ばれた。知行地の石高が500石の場合、ぜ〜んぶ懐に入れられるかというとそうではない。年貢が「四公六民」の場合、取り分は4割なので200石分ってことになる。
知行地をもらえない人には現物支給。米で支給される。幕府の直轄地、つまり天領から収納され、幕府の蔵に納められた米を蔵米と呼んでいて、この蔵米を支給される中級以下の旗本や御家人は「蔵米取り」と呼ばれていた。
時代劇でよく出てくる「30俵二人扶持」。これってどれくらいのもんなんでしょうか?一人扶持は、一日当たり玄米5合(女の人は3合)換算で毎月支給されるもの。年に換算すると約5俵なので、「30俵二人扶持」は40俵ということになる。

ところで、1石(いっこく)ってどれくらい?
もともとは1反(いったん=10R=1,000u)の田んぼで収穫できるお米が1石だったそうです。1石=150kgなので、2.5俵(1俵=60kg)収穫できたってことでしょうか。現在では1反で10俵前後収穫できるようなので、生産性も格段に上がったんだねえ。

さて、知行500石と蔵米500俵。500石の内4割の年貢として取り分は200石。一方蔵米500俵は1石=2.5俵で200石。どちらも同じになる。
でも、知行地を与えられるということは警察権、裁判権、徴税権などその土地の統治権も与えられるということ。領主となるわけだ。それに対し、蔵米取りの場合はいわばサラリーマンであり、「経済的利益」は同じでも、知行取りと蔵米取りとでは格が大きく違うようです。

じゃあ、具体的にいくらもらってんのよ?
江戸時代も約260年と長いので、一概に1石いくらとは言えないようです。で、今のお米の価格で考えてみる。
お米の値段を1俵約2万円程度とすると、2.5俵では5万円程度。つまり1石=5万円。200石なら1000万円。
ってことは、1万石もあると、5億円ってことでしょうか???
もっとも、この中から殿様なら家臣などに支払わなきゃならないので、大勢雇っている殿様は大変な出費でしょうし、「70俵10人扶持」の御家人でも家族以外に奉公人がいれはその奉公人にも給金を支払わなければならない。大変だねえ。

旗本や御家人の世界。調べてみると、とてもおもしろい。もっといろいろあるようです。
今と昔を比べてみると、身近に感じられ、歴史の学習もおもしろくなるかもしれません。



旗本というと、どうしても時代劇の『旗本退屈男』を思い浮かべてしまいます。市川右太衛門さんと北大路欣也さん親子が二代にわたって主演した。
主人公の早乙女主水之介(さおとめもんどのすけ)は元禄時代の徳川将軍家の直参旗本で、無役ながら1200石の大身(たいしん)という設定。額に受けた三日月型の「天下御免の向こう傷」がトレードマーク。
なるほど、無役で暇なのね。でも1200石、実質480石程度もあるから生活には困らない。知行取りで身分も高い。そういうことなのかなあ?
昔ながらの時代劇では歴史や民俗を学ぶのはちょっと時代考証などが行き届いていない場合もあって難しいかなと思うところもあるけれど、こんな風にところどころ学べるところもありますねえ。
子供のころから時代劇が大好きで、『旗本退屈男』は北大路欣也さんのを見ていた。まさしく痛快娯楽時代劇そのもので、勧善懲悪、正義のヒーローが悪者をやっつける。
今や時代劇も少なくなって、とても残念。
まあ、自分的には時代劇は“悪いことしちゃいけないんだ!”っていう道徳のお勉強、でした!