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■ もっともっといばらき リポート406 つくば植物園(17)2013. 9. 3

訪問日;2013.08.10

つくば植物園」は“水草展”です。

植物は約12億年前に水中で誕生し、約5億年前に陸上に進出した。水草(みずくさ・すいそう)は、その陸上に上がった植物の中から再び水中に潜った植物だそうです。動物界のクジラみたいなもんなんだね。

水草のうち、海水域のものは海草という。海藻とは違うよ。
水草とはいってもその生活環の中に特に水に依存した時期を持つ植物のことをさすそうで、完全に水中生活しているとは限らない。むしろ、そういったものは多くはないそうです。

水草には「抽水植物」「「浮葉植物」「沈水植物」「浮遊植物」4つの生育系があるそうです。
ヨシやガマなど、水中から茎が突き出している「抽水植物」は根や茎が地中にしっかり伸びて体をささえている。レンコンのように葉が取り込んだ空気が通るための穴がある場合もある。
スイレンやアサザ、ヒルムシロなどの「浮葉植物」は葉を水面に浮かべている。葉の裏表が逆にならないように、葉の表面は水をはじくクチケラ層と呼ばれるワックスのようなものができる。裏面にはできない。葉の表側に気孔があり、光合成に利用している。
イバラモなど、「沈水植物」は葉や茎がすべて水中にある。水中の二酸化炭素や栄養分を取り込むための葉が薄く細くなっていて、表面積を大きくすることで葉の表面からの取り込みを促進していると考えられているそうです。
これら3つは水底に固着するけど、固着せずに水面を漂うのが「浮遊植物」。ウキクサが代表的。根が水中に漂って栄養分を吸収しているので、根が細かくたくさんできる。ところが中には根がなく浮遊するものもあって、虫を食べて養分補給をしているものもある。ムジナモがその例かな?

植物が生きていくには光、水、温度、栄養、空気といった5つの必須要素がある。
この5つの要素のうち、水草が生きていくために“???”となってしまうのが空気なんだけど、もちろん水中に溶け込んでいる二酸化炭素を利用している。

一般的に水草は急な流れのあるところでは根を張れず、生育しにくい。
ところが、湧き水が出て小さな川や水路になっているところでは二酸化炭素が豊富で水温も低く、ここに生息できる水草もあるようです。水温が低いとより多く二酸化炭素が溶け込んでいる。
また、流れの速いところに生息するものは葉の周辺の二酸化炭素が消費尽くされるのを防いでいることがわかっているそうです。さらに流れが速いところでは生育を妨げる藻類が葉に付着するのを防いでくれると考えられている。ある程度の流れは、生育によいようです。
そして茎が伸びて葉を出したり細長い葉を伸ばしたり、速い流れに適した形の水草もあるそうです。

水草たち、いろいろ工夫して環境に適応し、元気に生育しているんだね。

調べてみると、日本の水草は絶滅危惧種に瀕しているものが多い。約40%というから相当なものだよね。
原因は水回り環境の悪化。生育場所が失われていく。
それから外来の水草の増殖。ホテイアオイなどの観賞用に持ち込まれた外国産の水草が日本産の水草を脅かす。皮肉なもので、ホテイアオイは水質浄化に役立つし、減農薬や無農薬をうたうアイガモ農法ではアイガモの栄養不足を補うためにアカウキクサを利用する例もあるそうです。環境にやさしいはずのことが逆に環境を脅かす。
園芸やアクアリウムで私たちを楽しませてくれる水草。植物園だけでしか見られなくなりました、なんてことがないようにしたいものですね。

ワークショップでアクアリウムを作ったり、食虫水草のタヌキモにミジンコを食べさせたり、イベント盛りだくさんでした。次回の水草の特別展示は2年後だそうです。