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■ もっともっといばらき リポート391 茨城県近代美術館(7)2013. 3. 9

訪問日;2013.03.09

横山大観作、“生々流転”。これが見たくって、「茨城県近代美術館」行きました。
企画展“二年後。自然と芸術、そしてレクイエム”開催中です。

横山大観の“生々流転”は水の流転を描いた40mの長大な絵巻で、国指定重要文化財。“東京国立近代美術館”の所蔵で、ここでの展示は22年ぶりだそうです。
1923年第10回再興院展に出品されたものだけど、初日の9月1日、展示開始わずか3時間で関東大震災に遭遇し、同展は閉会。10月に大阪で改めて開会後、12月に東京(法政大学)で再開されたそうです。
テレビで紹介されいて、是非見てみたいと思っていた。平面に描かれたものなのに風景がそこに存在するかのように見える。3Dのよう。今回水戸で本物が見られてよかった〜〜〜。
雨が降り、川になり、海へと流れ、熱せられて水蒸気となり、雲が集まって再び雨になる。そんな自然の営みが描かれている。水がうまく流転しないと、干ばつになったり長雨で水害が起こったり、・・・。だから、大昔から水がうまく流転するように水を司る龍神様を祀ったりして、自然を畏れ敬い、感謝の気持ちを表してきた。
水は私たち生き物になくてはならない存在。だけど、水は身近な存在でありながら、身近すぎて、水がうまく流転するか否か、現代人である私たちはあまり気にしていないのかもしれない。
この作品を見て、水がうまく流転することに、感謝の気持ちを覚えるのでありました。あれ?展示の趣旨と違うかな?

木村武山の“彩色杉戸絵”は須磨御殿と言われた兵庫の屋敷にあり、阪神淡路大震災に遭遇し、半壊した建物から運び出されたもの。そして、今回の東日本大震災にも遭ってしまう。茨城県近代美術館の収蔵庫で。
企画展では2枚のみ展示されていますが、1階常設展示室2では、このほかの杉戸絵も見られます。
ちなみに須磨御殿というのは大正時代の資産家・内田信也の邸宅。この内田信也なる人物、旧麻生町(行方市)出身で、船舶事業で財を成し、農林大臣なども歴任したらしい。
木村武山の杉戸絵は巨大な杉の一枚板に描かれ、それが44枚。須磨御殿の各所に設置されていた模様。この大きさの杉板一枚を採るのに、一体どんだけ太い杉の木を使ったのでしょう。

そして、3.11の東日本大震災の直後から届けられる新聞を利用して制作しはじめた河口龍夫という芸術家の“鎮魂の3月”他、といった作品なども展示されている。
現代アート、難解でした。ハハハハハ。

関東大震災、阪神淡路大震災、そして東日本大震災。これらの震災を潜り抜けてきた作品は、下手すりゃ灰と化していたかもしれない。よくもまあご無事で!
東日本大震災に制作された作品は前述の通り。でした。



アートフォーラム特別展示“3.11 ユニセフ東日本大震災報告写真展”も同時開催されている。茨城県ユニセフ協会が主催で、震災後の様子を報道カメラマンが撮った写真を巨大なパネルで展示している。
崩壊した建物、火災、津波、そして被災しながらも力強く生きる人々の姿が写し出されている。
そんな中に、津波で亡くなった妻にすがりつく男性の姿。全てが流され、この写真が夫婦の唯一の写真。両親と妹が行方不明で、お母さんに手紙を書き、疲れて寝てしまった4歳の女の子の姿。母親を助けられなかったと叫ぶ男性の姿。思わず涙ぐんでしまいました。
震災から2年。被災地の復興の道のりはまだまだ長い。東北3県はもちろん、茨城、千葉で液状化を起こした地域でも、復興は進んでいない。
私たちに何ができるのでしょうか。ともすれば、震災の記憶も薄れがち。まずは震災を忘れないことなのでしょう。
こちらの特別展示は、是非とも子どもたちに見て欲しいです。入場無料で3月20日まで。その後は・・・。巡回でもしてくれないかなあ!